「失策の間の得点=打点が付かない得点」ではありません。
打点についての規定は野球規則10・04で定められているのですが、この規則の(a)の(2)で、
「無死または1塁で、打者の打球に対して失策があった時3塁走者が得点した場合は、その失策が無くても走者が得点できたかどうかを確かめ、失策がなくても得点できたと認めれば打者には打点を与える」
と明記されています。
つまり、エラーの助けがなくても得点できた走者については打点が記録されるのです。
(例1)
「1死・走者3塁の場面で打者が1塁へゴロを打ち、ファーストがこれを捕球したが3塁走者のスタートが早く、捕球した時点で到底間に合わない状況であったので確実にアウトを取れる1塁へ送球したが、ベースカバーに入った投手がこれを取り損ねて落としてしまった結果セーフになってしまった」
この場合、本塁への送球をしても到底間に合わないと記録員が認めた場合は打点がつきます。
(例2)
「1死・走者3塁の場面で打者がライトフェンス際へ飛球を放った。大飛球ではあるものの平凡で、右翼手は落下点に入ってボールを捕らえようとした。ところが打球はグラブをすり抜けるように右翼手の頭に命中。これを見た3塁走者は本塁へ向かってスタートを切った。ボールは本塁に送球されることなく走者は本塁へ生還した」
この場合も通常ならばタッチアップでらくらくと生還できると判断されれば打者には打点と犠牲フライが記録され、「ヘディングキャッチ」した右翼手にはエラーが記録されます。
ただ、2アウト3塁の場面で同様のプレイが発生した場合は正規に捕球していれば3アウトでチェンジになりますから打点も犠牲フライも記録されず、打数1と右翼手のエラーが記録され、打率が低下する事になります。
エラーがらみのプレイについて「打点が付くかどうか」を判断する場合においては、
「ミスプレイの助けがなければ生還できなかった場合のみ打点を記録しないのが基本」
と覚えておけば間違いありません。
ただし無条件で打点が付かない場合もあります。
それは「フォースダブルプレイ」となるようなゴロを打ってしまった場合です。
理由は規則10・04(b)および(c)で「併殺打」となるようなゴロを打ってしまった場合にはその併殺が完成したかどうかに関わらず打点を記録しないことが規定されているからです。
(例3)
「無死1・3塁で打者がセカンドへ平凡なゴロを打った。セカンドは本塁への送球は間に合わないと判断したので自ら2塁を踏んで1塁走者をアウトにし、打者走者もアウトにしようと1塁へ送球した。ところが、らくらくアウトに出来るタイミングであったのにこれを暴投してしまった為に1塁はセーフになってしまった」
この場合は打点がつきません。打者には併殺打が記録され、セカンドにはエラーが記録されます。 |